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演劇ワークショップで殻を破る2日間

ひょんなことから、とある演劇のワークショップに参加し始めて早3回になる。

主催者でもある講師は、演出家の鈴木忠志さん(演劇界では世界的に有名な人物)に師事した俳優の方で、本来なら限られた演劇人しか受けられない訓練法「スズキ・トレーニング・メソッド」を、一般の人にも体感してもらうワークショップを行なっている。前半は鈴木メソッドの基本的なトレーニング、後半は動作を付けながら参加者一人ずつが朗読を行うという構成である。

以前の私は、こういうワークショップの類はまず参加しなかった。子供時代に染み付いてしまった数々の失敗体験から、集団で何かを一つのことを行うのを避けて通るようになっていた。しかし、「絶対向いているから」と言われてエイヤと飛び込んだら、見事にはまって連続参加している。

3回目の参加の翌日、別の主催者によるワークショップにその講師が来ると聞いて当日飛び込んだ。いつもの朗読とは異なる、「インプロ」と呼ばれるシナリオのない即興劇が主軸であった。私を含めて演劇未経験の参加者が大半の中、最後は講師のサポートにより一つのパフォーマンスが完成した。 怪しい踊りをしたり、声を張り上げたり、はたから見ればどこぞのカルト集団という様相だ。私も即興で「私たちは...いかづちシスターズ!」「救世主が生まれたわ!」などと訳のわからないことを口走っていた。何これ、楽しいやんか。

演劇というと、台詞を丸暗記しなきゃいけないとか、役を作り込まなきゃいけないとか、興味があってもハードルが高いと感じていた。しかし、一番大事なのは「バカになること」なんじゃないかと気づいた。

私は普段、人に対してかなり手加減をして生きている。ぶっ飛んだ感性も、物理的な腕力も、抑えなければドン引きされたり相手を潰してしまうから。でも本当は、手加減なんかしないで自分のエネルギーを思い切り出して生きていきたい。演劇のワークショップや筋トレの時間だけじゃなくて、普段からそうしたい。

もしかして、自分を抑えなきゃいけない環境のほうが異常なんじゃないかと思う。日常だと思っていた環境が日常で、異常が本来の日常なんじゃないかと。殻を破るヒントはそこにあると、2日間のワークショップで得ることができた。